2020年エネルギー関連インパクトレポート
記事作成:2021/1/23
皆さんおはようございます、八重さくらです!
本日は私の事務所が2020年の事業活動で環境に与えた影響についてご報告いたします。
本ブログでも月に1回発電実績を報告している通り、私の事務所「コンシェルジュ・システムズ」では太陽光発電を導入し、環境負荷を抑えながらエネルギーの完全自給自足を目指している。
本レポートでは事業活動に伴う環境への影響を明らかにするために、独自の計算方法を用いてエネルギーの自給率、さらに二酸化炭素の排出量を計算し、年に一度報告する。
電力自給率
133.70%
エネルギー自給率
90.94%
二酸化炭素排出量
278.60kgの削減効果
もくじ
1. エネルギーを消費する主な設備
1-1. 電力の消費
1-2. LPガスの消費
2. 自給率、二酸化炭素排出量の計算方法
2-1. 電力自給率の計算方法
2-2. エネルギー自給率の計算方法
2-3. 二酸化炭素排出量の計算方法
3. 詳細レポート
3-1. 電力自給率
3-2. エネルギー自給率
3-3. 二酸化炭素排出量
3-4. 総括
1. エネルギーを消費する主な設備
コンシェルジュ・システムズが保有しているエネルギーを消費する主な設備は以下の通り。
1-1. 電力の消費
- 電気自動車の充電
- テスラモデルX(遠距離の営業、イベント参加など)
- 三菱アイミーブ(近距離の営業、軽貨物運送など)
- 事務所の照明、冷暖房など
※電気自動車の充電は自宅充電分のみ計上しており、公共の充電器での充電は含まれない。
1-2. LPガスの消費
- 事務所の給湯、調理
2. 自給率、二酸化炭素排出量の計算方法
電力自給率、エネルギー自給率、および二酸化炭素排出量の計算方法は以下の通り。
2-1. 電力自給率の計算方法
以下の通り、電力の使用量と発電量から自給率を計算する。
【使用量】
太陽光発電のモニターシステムとして「エコめがね」を導入しており、発電量だけでなく使用量も併せてモニタリングしている。このため事務所と三菱アイミーブの充電に使用する電力は「エコめがね」からデータを取得する。
一方でテスラモデルXの充電に使用する電力は分電盤(「エコめがね」センサー)の一次側から分岐しているため、「エコめがね」では集計できない。このためテスラモデルXの充電に使用する電力は「TeslaFi」と呼ばれるテスラ車両のログ取得サービスを用いて取得し、「エコめがね」のデータと合算する。
【発電量】
発電量は全て「エコめがね」で記録をとっており、データを取得可能である。
【自給率】
使用量を発電量で割った値を自給率とする。
2-2. エネルギー自給率の計算方法
以下の通り、エネルギーの生産量、消費量から自給率を計算する
【電力】
電力の単位発熱量を3.6MJ/kWhとして、発電量から生産量、使用量から消費量を計算する。
【LPガス】
LPガスの使用量はm3で計測されるため、まずは2.183kg-LPG/m3(15℃の条件)として重量を計算し、重量から単位発熱量を50.6MJ/kgとして消費量を計算する。
【自給率】
電力とLPガスの消費量を生産量で割った値を自給率とする。
2-3. 二酸化炭素排出量の計算方法
【電力】
買電する電力の排出係数は毎年変化するが、まだ2020年の最新データが発表されていないため、2019年の東京電力の実績である0.441kg-co2/kWhとして計算する。買電分はプラス、売電分はマイナスとする。
【LPガス】
LPガスの使用量はm3で計測されるため、まずは2.183kg-LPG/m3(15℃の条件)として重量を計算し、重量から3kg-co2/kgとして二酸化炭素の排出量を計算する。
※LPガスの重量、単位発熱量、二酸化炭素排出量は日本LPガス協会から。
3. 詳細レポート
2020年の電力自給率、エネルギー自給率、二酸化炭素排出量は以下の通り。
なお、2020年1月に太陽光発電、及び「エコめがね」を導入したため、2020年1月は途中からの計測となる。
3-1. 電力自給率
電力自給率は季節による変動が大きいが、太陽光発電の発電力が増える春から秋にかけては200%を超え、5月には260.87%を記録した。一方で冬場は30%台まで下がり、不足分の電力を購入することとなった。
年間の累計では133.70%となり、太陽光発電で発電した低炭素の電力を33.70%分(約2,000kWh)を外部へ供給できた計算となった。
発電量 (kWh) |
使用量 (kWh) |
自給率 | |
---|---|---|---|
2020年1月 | 97.0 | 262.1 | 37.01% |
2020年2月 | 529.6 | 432.4 | 122.48% |
2020年3月 | 699.8 | 594.2 | 117.78% |
2020年4月 | 949.6 | 495.5 | 191.63% |
2020年5月 | 914.2 | 350.4 | 260.87% |
2020年6月 | 848.8 | 380.7 | 222.99% |
2020年7月 | 655.7 | 490.6 | 133.66% |
2020年8月 | 1,131.3 | 539.0 | 209.91% |
2020年9月 | 619.0 | 284.9 | 217.30% |
2020年10月 | 463.6 | 491.2 | 94.37% |
2020年11月 | 411.5 | 565.0 | 72.84% |
2020年12月 | 334.8 | 839.4 | 39.89% |
2020年累計 | 7,654.9 | 5,725.2 | 133.70% |
3-2. エネルギー自給率
電力にガスを含めた「エネルギー自給率」も電力自給率と同様の動きだが、夏場でも梅雨により発電量が減った7月には100%を切り、さらに給湯によりガスの消費量が増え、冬場の下落がさらに大きくなった。
年間の累計では90.94%となり、ガスの使用量は多くなかったものの、そのエネルギー密度の高さにより熱量ベースのエネルギー自給率では100%を達成できなかった。
なお、消費量における電力とガスの比率は凡そ2:1で、電力が20,000MJ、ガスが10,000MJとなる。
生産量 (MJ) |
消費量 (MJ) |
自給率 | |
---|---|---|---|
2020年1月 | 349.2 | 2,684.6 | 13.01% |
2020年2月 | 1,906.6 | 2,588.0 | 73.67% |
2020年3月 | 2,519.3 | 3,059.4 | 82.35% |
2020年4月 | 3,418.6 | 2,671.1 | 127.98% |
2020年5月 | 3,291.1 | 1,993.5 | 165.09% |
2020年6月 | 3,055.7 | 2,024.6 | 150.93% |
2020年7月 | 2,360.5 | 2,453.7 | 96.20% |
2020年8月 | 4,072.7 | 2,428.2 | 167.73% |
2020年9月 | 2,228.4 | 1,435.8 | 155.20% |
2020年10月 | 1,669.0 | 2,267.5 | 73.60% |
2020年11月 | 1,481.4 | 2,821.2 | 52.51% |
2020年12月 | 1,205.3 | 3,875.6 | 31.10% |
2020年累計 | 27,557.6 | 30,303.2 | 90.94% |
3-3. 二酸化炭素排出量
原則としては自給率と同じ動きで、冬には排出が増えて夏は減るという傾向となった。夏の期間を中心にマイナス値になっており、これはカーボン・ニュートラルを達成した上で、さらに地域全体の排出力を削減できていることを示す。
電力 (kg-CO2) |
LPガス (kg-CO2) |
合計 | |
---|---|---|---|
2020年1月 | 72.81 | 102.82 | 175.63 |
2020年2月 | -42.87 | 60.91 | 18.04 |
2020年3月 | -46.59 | 54.36 | 7.77 |
2020年4月 | -200.24 | 52.39 | -147.85 |
2020年5月 | -248.62 | 43.22 | -205.39 |
2020年6月 | -206.45 | 38.64 | -167.82 |
2020年7月 | -72.81 | 40.60 | -32.21 |
2020年8月 | -261.23 | 28.82 | -232.41 |
2020年9月 | -147.36 | 24.23 | -123.12 |
2020年10月 | 12.19 | 29.47 | 41.66 |
2020年11月 | 67.67 | 46.50 | 114.17 |
2020年12月 | 222.52 | 50.43 | 272.94 |
2020年累計 | -850.98 | 572.38 | -278.60 |
3-4. 総括
第一の目標である電力自給率100%、そしてカーボン・ニュートラルは達成できた。今後はエネルギー自給率の100%突破を目指す事となるが、この達成には事務所の断熱が必要になると見ている。
余談だが、2019年12月に現在の事務所へ移動し、当初すぐに断熱を行う予定だったものの大幅に遅れている。ただ、そのお陰で断熱しなかった場合の1年分のエネルギー消費量のデータが取れ、今後断熱を行ってから比較することが可能になった。
最後までご覧いただきありがとうございました。
次回のインパクトレポートは1年後の公開を予定しておりますので、お楽しみに!