DR(デマンドレスポンス)でお得にEVを充電しよう!

記事作成:2021/04/17

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皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回はDRを活用してEVをお得に充電する方法をご紹介します!!

突然だが、皆さんは「DR(デマンドレスポンス)」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
詳しい解説はこちらの解説サイトに譲るが、一言で表すと「変動の大きい再エネなどにおいて発電量に合わせて電気料金を変動させ、電気の受給バランスを調整すること」である。

  • 発電量が多く電力が余りそうな場合は電気料金を安く設定し、需要を増やす
  • 発電量が少なく電力が足りなそうな場合は電気料金を高く設定し、需要を減らす

将来的に再エネなどのクリーンエネルギーを増やす際は発電した電力が無駄にならないように、そして電力不足で停電しないように「DR」などを活用して調整することが重要となる。

そして「DR」は決して将来の話ではなく、実はすでに誰でも活用できる仕組みが用意されている。今回はその仕組みを使い、EVをお得に充電する2つの方法とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介する。

もくじ

1. DRを活用してEVをお得に充電する方法
 1-1. 方法① 市場連動型の電力プランを契約する!
 1-2. 方法② 還元型の電力プランを契約する!
 1-3. まとめ

2. 再エネとEVの組み合わせは脱炭素のカギ?
 2-1. 脱炭素の中心となる再エネの課題
 2-2. EVは課題を克服するカギ

1. DRを活用してEVをお得に充電する方法

現時点においてDRを使ったEVの充電として、一般消費者が利用しやすい方法は大きく2つ存在する。1つは「市場連動型」の電力プランを契約すること、そしてもう1つは「還元型」の電力プランを契約すること。今回はそれぞれのメリット・デメリットを確認してみよう。

1-1. 方法① 市場連動型の電力プランを契約する!

現時点で数百社に及ぶ新電力会社が一般消費者向けに電力プランを提供しているが、その多くは「卸売市場」から電力を調達し、一般消費者に販売している。(自前の発電所を持つ新電力会社や直接発電所と契約して電力を調達する新電力会社も存在する)

市場連動型の電力プランとは、この卸売市場からの調達価格に合わせて一般消費者に販売する電力の価格を変更させる電力プランとなる。安く調達できれば安く販売し、高く調達した場合はその分だけ高く販売する。そして価格の安い日付・時間帯にEVを充電することで、お得に充電可能となる。

【メリット】

最大のメリットは市場の卸売価格がそのまま電気料金に反映されること。卸売価格が安くなった分だけ電気料金も安くなるため、よりお得に充電できる可能性がある。

【デメリット】

実はメリットがそのままデメリットになる。卸売価格が高くなった分だけ電気料金が上がってしまうため、2021年の初めに発生した卸売価格の高騰のように、通常の10倍以上というとてつもない価格になる可能性もある。

通常の10倍以上に高騰した2021年初めの卸売価格
通常の10倍以上に高騰した2021年初めの卸売価格(JEPX取引情報より)

一応これを回避する方法としてEVを外の急速充電器で充電し、逆にその電力をV2Hにより自宅に供給する方法も存在するが、充電時間やバッテリーの劣化を考慮するとおすすめはできない。卸売価格の高騰が心配な場合は次の方法②を検討するとよいだろう。

1-2. 方法② 還元型の電力プランを契約する!

市場連動型ではなく単価固定の電力プランを契約しながらも、卸売価格が安くなった際の恩恵を受けられる電力プランが存在する。これが「還元型プラン」であり、卸売価格が安いときに電力を多く使用することで、後からポイントなどで還元を受けることができるプランである。

例えば筆者の事務所にて契約している「Looopでんき」の場合、「Looop DRプログラム」と呼ばれるAmazonギフト券を還元する仕組みがある。これは卸売価格が安いタイミングなど、Looopでんきが定めた期間内に通常より多く電気を消費した場合、最大で増加した電気料金の40%に相当するAmazonギフト券が還元されるものだ。(詳細な条件や還元内容は公式サイトを参照)

LooopDR在宅応援キャンペーン
LooopDR在宅応援キャンペーン(Looopでんき公式サイトより)

市場連動型の場合と同様の考え方で、定められた期間内(≒卸売価格が安いタイミング)にEVを充電して多くの電気を消費することで、増えた電気料金の分だけ還元を受けることができる。

※Looopでんきの場合は申し込み申込受付期間が決まっているため、これから切り替える場合は要注意。

【メリット】

卸売価格の高騰に影響されることなく、安くなった際にだけお得に充電可能となる。

【デメリット】

新電力会社が還元を実施するタイミングを決めるため、市場連動型ほどの節約は期待できない可能性がある。

1-3. まとめ

これらの2つの方法を簡単にまとめると以下の通りとなる。

  • 市場連動型:卸売価格高騰によるリスクは高いが、よりお得に充電できる可能性がある
  • 還元型:卸売価格高騰によるリスクは低いが、市場連動型ほどお得にならない可能性がある

どちらも一長一短なので、それぞれの環境や考え方によって最適な方法を選ぶと良いだろう。ただし、どちらも必要以上に浪費しても得はせず、環境にも悪影響を与えることを付け加えておく。


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2. 再エネとEVの組み合わせは脱炭素のカギ?

2020年10月に菅政権が2050年のカーボン・ニュートラルを表明したことで、一気に脱炭素の機運が高まった。この中心を担うのは二酸化炭素の排出が少ないクリーンエネルギーである再エネだが、再エネには大きな課題があり、EVにはその課題を解決できる可能性がある。

2-1. 脱炭素の中心となる再エネの課題

カーボン・ニュートラルの達成には多くの取り組みが必要となるが、その大きな役割を果たすのが発電による二酸化炭素排出の削減である。世界中で化石燃料を消費する内燃機関車をEVに置き換える計画が進められているが、発電の段階で二酸化炭素を排出するようでは意味がない。

発電での二酸化炭素の排出量を減らすには太陽光発電や風力発電などの再エネを増やし、二酸化炭素を排出する火力発電を減らすことが必要となるが、再エネは変動が大きく電気の使用量が多いときに多く発電できるとは限らない

万が一使用量が発電量を超えてしまった場合は大規模な停電である「ブラックアウト」が発生する可能性もあり、これが再エネの導入を阻む原因の一つとなっている。

2-2. EVは課題を克服するカギ

そこで再度EVに注目してほしい。EVは再エネなどのクリーンエネルギーで発電した電力で走ることで環境に優しい乗り物となると同時に、大きな蓄電池を搭載しているため、電力の需給バランスを調整することが可能となる。

例えば発電量が多く電力が余っている時間帯は蓄電池に充電し、反対に電力が足りない時間帯は蓄電池から電力を供給することで、再エネの弱点である変動の大きさを補うことができるのだ。

現在普及しているEVは最大で100kWh程度の蓄電池が搭載されており、満充電した場合は一般的な家庭に換算すると5日~1週間分程度の電力を賄うことが可能となる。全国の広い範囲で1週間も全く日が差さず風が吹かない可能性は極めて低く、これに加えて定置型蓄電池の導入も進められており、万が一そのような状況が発生しても電力に支障が発生しないような対策も可能である。

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最後までご覧いただきありがとうございました!

次回もお楽しみに~!!

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