【日本国内のEV販売】2024年8月のEVシェアは2.6%、21年以来の低水準を維持
記事公開:2024/9/18
皆さんおはようございます、八重さくらです!
本日は、21年以来の低水準を維持した8月の国内のEV販売状況を解説します!
※この記事は2024年8月の情報です。最新情報はこちらから:EV販売台数の記事一覧(翌月中旬頃更新)
2024年8月の日本国内の軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は271,468台で、前年同期の2023年8月(280,537台)比では-3.2%とほぼ同等に。一方で、COVIDによる影響を受ける前の2019年8月(317,179台)と比べると-14.4%で、大幅な減少となった。
このうちEV(BEV+PHEV)のシェアは前月に続き2.6%で、PHEVは前年の1.4%から1.0%に、BEVは2.1%から1.6%にそれぞれ減少している。メーカー別の台数では輸入車の合計が最多となったが、国内メーカーとしては引き続き日産が首位を維持した。
さらに燃料別シェアの最多となるHVは51.8%で、2024年の年初から安定して過半数を維持。HVを含む電動車全体のシェアは54.4%となった。
・BEV:4,425台(乗用車全体の 1.63%、前年比
-23.83%)
・PHEV:2,647台(乗用車全体の 0.98%、前年比
-33.11%)
・EV(プラグイン車合計):7,072台(乗用車全体の 2.61%、前年比
-27.59%)
・FCV:36台(乗用車全体の 0.01%、前年比 +12.74%)
・ZEV合計:7,108台(乗用車全体の 2.62%、前年比 -27.46%)
・HV:140,675台(乗用車全体の 51.82%、前年比 +9.46%)
・電動車合計:147,783台(乗用車全体の 54.44%、前年比 +6.84%)
【本ページに掲載している販売数データのソースについて】
・登録車:一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)の燃料別販売台数(乗用車)より
・軽自動車:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の軽四輪車通称名別新車販売確報、及びメディア向け資料より
※シェアは上記の販売台数より独自集計
※特筆なき場合、EVはBEV(バッテリー式の完全電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を両方を指す
販売台数とシェアの推移
2024年8月のEV販売台数は7,072台で、引き続き前年だけでなく2年前の同月である2022年8月を割った。前年同月の9,766台と比べると-27.59%の大幅な減少で、減少幅は前月の-22.03%から拡大した。
同期間のシェアは2.61%で、販売数と同様に前年から大幅に減少。前年に続き、2年連続の減少となった。
月推移では2024年Q2以降では成長しているものの、最多を記録した2022年~2023年と比べて減少トレンドが続いており、この傾向は2024年いっぱい続く可能性が高い。
メーカーと車種
輸入車の内訳は不明ながら、国内メーカーのトップは2,163台を販売した日産で、前年の3,228台からは引き続き-33.0%の大幅な減少となったものの首位を維持した。車種別では軽自動車の「日産サクラ」が前年の2,419台から1,530台に、登録車の「日産リーフ」と「日産アリア」の合計は809台から633台に減少。前月に続き、いずれもJADAの通称名別順位においてTOP50(50位は440台)にはランクインしなかった。
国内メーカーの2位は1,359台を販売したトヨタで、前年の2,449台からは-44.51%となり、4か月連続の減少となった。プリウス、ハリアー、RAV4などのPHEVが前年の2,201台から1,240台に、bZ4XやレクサスRZ450e、UX300eなどの登録車BEVが234台から118台にそれぞれ減少。また、このうち公式サイト上で既に生産終了済みとされているC+podは1台のみで、販売終了が迫っている。
国内メーカーの3位は1,007台を販売した三菱で、前年の1,480台からは-32.0%の減少で、2023年12月以降9か月連続の減少となった。このうち軽自動車の「三菱eKクロスEV」が前年の255台から212台に、登録車である「アウトランダーPHEV」と「エクリプスクロス」のPHEVモデルの合計は1,225台から795台に減少した。なお、JADAの通称名別順位より登録車のうち448台が「アウトランダーPHEV」と公開されていて、残りの347台が「エクリプスクロス」のPHEVモデルと思われる。
また、輸入車の2,489台のうち、JAIA(日本自動車輸入組合)の「2024年8月度輸入車新規登録台数(速報)」によると普通普通乗用車のOthersは462台(前年の502台から減少)で、ほぼ全数がテスラと思われる。また、電動車専業メーカーのHyundaiは前年の20台から46台に、BYDは89台から298台にそれぞれ増加した。
おわりに
7月の解説記事ではモータージャーナリストのEVに関するデマを取り上げたが、大企業のCEOや一国の大統領候補も例外ではない。トランプ氏は以前よりEVや気候変動に関するデマを流布しており、今さら驚くことはないかもしれない。しかし、これにテスラCEOのマスク氏も便乗、混沌の様相を呈している。
マスク氏とトランプ氏の対談について「世界最大の危機に対するバカげた危険なデマ」との指摘。
— Sakura Yae/八重 さくら (@yaesakura2019) August 16, 2024
同対談では気候変動に対し「緊急ではない」旨を主張、世界から批判を集めています
Bill McKibben Calls Out Trump & Musk For The "Dumbest" Climate Conversation Ever https://t.co/u3hje0mb2D
渦中のトランプ氏は留まることを知らず、原発や火力への依存から脱却するドイツの電力網に関するデマを流布。これにドイツ外務省が応戦するなど、外交問題に発展する可能性もでている。
「好むかどうかに関わらず再エネは国の為にならず、ドイツは1年足らずで従来の発電所の建設に戻った」
— Sakura Yae/八重 さくら (@yaesakura2019) September 12, 2024
とするトランプ氏に対し、ドイツ外務省が
「好むかどうかに関わらずドイツは再エネ50%以上で安定供給、石炭と原子力を閉鎖、38年までに石炭から脱却」と反論。 https://t.co/0IYgDOafVQ
ところで、米国でこれまでEV(主にテスラ)を購入してきた層は、言うまでもなく民主党の支持者が多い。最新の調査より、カリフォルニア州シリコンバレーの中心部(サクラメント)ではテスラの売り上げが前年から22%減少。これは競合が増えたことに加え、マスク氏が共和党に肩入れしデマを拡散したことで、テスラへの反感も加わったものと指摘されている。
シリコンバレー中心部で1-7月のテスラの販売が22%減少、一方で競合が41%成長。
— Sakura Yae/八重 さくら (@yaesakura2019) September 17, 2024
競合の増加のほかマスク氏の右傾化が影響、デマを拡散するトランプ氏の肩を持つブランドは「運転することさえ恥ずかしく思う」と指摘しています
Californians Are ‘Ashamed’ To Drive Teslas https://t.co/XXdvH8wwky
記事ではすぐに大規模な不買運動まで発展する可能性は低いとしつつも、今後の販売に影響することを示唆。マスク氏の右傾化は今後も続くのか、引き続き注視する必要があるだろう。