【日本国内のEV販売】2025年3月のEVシェアは2.6%、減少続くも輸入車は過去最多に
記事公開:2025/4/11

皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回は輸入車が過去最多を記録した、2025年3月の国内のEV販売状況を解説します!
※この記事は2025年3月の情報です。最新情報はこちらから:EV販売台数の記事一覧(翌月中旬頃更新)
2025年3月の日本国内における軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は、420,879台だった。これは前年同月の2024年3月(384,161台)と比較して9.6%増加したものの、COVID-19の影響を受ける前の2019年3月(532,506台)からは21.0%の減少となった。
このうちEV(BEV+PHEV)のシェアは2.6%であり、前月に続き、前年同月の3.3%から大幅に減少。内訳として、PHEVは前年同月の1.4%から1.2%に、BEVは1.9%から1.5%に減少した。
メーカー別の販売台数では、引き続き輸入車の合計が4,597台で最多となった。これは2024年12月の4,163台を上回る、過去最多の記録である。国内メーカーの最多は前月に続き日産で、2,586台を販売した。2位と3位も前月から変わらず、トヨタが1,882台、三菱が1,773台を販売した。
燃料別シェアでは引き続きHVが52.6%で最多で、HVを含む電動車全体のシェアは55.3%となった。
日本国内の燃料別販売台数(2025年3月)(クリックで拡大)
・BEV:6,156台(乗用車全体の 1.46%、前年比 -17.50%)
・PHEV:4,851台(乗用車全体の 1.15%、前年比 -9.38%)
・EV(プラグイン車合計):11,007台(乗用車全体の 2.62%、前年比 -14.11%)
・FCV:39台(乗用車全体の 0.01%、前年比 -49.86%)
・ZEV合計:11,046台(乗用車全体の 2.62%、前年比 -14.28%)
・HV:221,502台(乗用車全体の 52.63%、前年比 -2.89%)
・電動車合計:232,548台(乗用車全体の 55.25%、前年比 -3.50%)
【本ページに掲載している販売数データのソースについて】
・登録車:一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)の燃料別販売台数(乗用車)より
・軽自動車:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の軽四輪車通称名別新車販売確報、及びメディア向け資料より
※シェアは上記の販売台数より独自集計
※特筆なき場合、EVはBEV(バッテリー式の完全電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を両方を指す
販売台数とシェアの推移
2025年3月のEV販売台数は11,007台で、前年の12,815台と比べると14.1%の減少となった。2025年1月の例外を除き、2023年12月以降、15か月にわたり前年からの減少が続いている。
同期間のシェアは2.62%で、販売数の減少に伴い、前年の3.34%からは-21.6%の大幅な減少となった。
月推移では、台数は季節的な要因により2024年4月以降として最多となったものの、シェアは平均的な水準を維持している。最多を記録した2023年と比べると、引き続き減少傾向と言えるだろう。
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数とシェアの推移(クリックで拡大)
メーカーと車種
メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年3月)(クリックで拡大)
3月のメーカー別台数は、前月に続き輸入車の合計が4,597台で最多となった。これは前述の通り、これまでの最多である2024年12月の4,163台を上回り、過去最多を記録した。2024年12月のレポートでも「登録車のEV市場は輸入車の牙城になりつつある」と警告したが、2025年の1月から3月のシェアは75.45%と、2024年通年の70.64%を上回っている。4月にはBYDが税込み299.2万円~のDOLPHIN Baselineを、ヒョンデは税込み284.9万円~のINSTERを、テスラは新型モデルYを発売予定で、今後も輸入車の増加が続く可能性が高い。
国内メーカーのトップは前月に続き2,586台を販売した日産で、前年の4,046台からは36.1%の減少となった。車種別では軽自動車の「日産サクラ」が前年の3,228台から2,008台に、登録車の「日産リーフ」と「日産アリア」の合計は818台から578台に減少した。
国内メーカーの2位も前月に続き1,882台を販売したトヨタで、前年の2,094台からは40.9%の減少となった。プリウス、ハリアー、RAV4などの登録車のPHEVが前年の2,950台から1,800台に、bZ4XやレクサスRZ450e、UX300eなどの登録車BEVが211台から81台にそれぞれ減少した。このほか、生産終了済みのC+podも1台登録されている。
国内メーカーの3位も前月に続き1,773台を販売した三菱で、前年の1,692台からは4.8%の増加となった。このうち軽自動車の「三菱eKクロスEV」は前年の291台から137台に減少、登録車である「アウトランダーPHEV」はJADAの通称名別順位より47位の1,126台と公開されていて、「エクリプスクロス」のPHEVモデルは510台と予想される。
また、輸入車の4,597台のうち、JAIA(日本自動車輸入組合)の「2025年3月度輸入車新規登録台数(速報)」によると普通乗用車のOthersは1,243台(前年の654台から増加)で、ほぼ全数がテスラと思われる。また、電動車専業メーカーのHyundaiは前年の70台から41台に、BYDは353台から327台に減少した。
おわりに
2025年も第一四半期が終わり、輸入車の影響が増す結果となった。いち早くEVを発売した日産をはじめ、災害が多い日本のメーカーはこれまでEVを「走る蓄電池」と表現し、V2HやV2Lによる外部への給電を得意としてきた。ところが、近年は輸入車についてもプレミアムEVだけでなく、ヒョンデやBYDなど、300万円前後からV2HやV2Lに対応する車種が登場したことで、国産車の優位性は薄れつつある。
さらに、これまでは定置型蓄電池のPowerwallを販売し、V2HやV2Lに否定的だったテスラもCybertruckを皮切りに、他の車種への展開を示唆している。
補足:Powershareを搭載した車両のみ使用可能との記載があるので、古い車両では対応できないかもしれません...
— Sakura Yae/八重 さくら (@yaesakura2019) April 9, 2025
ただ、Powershareに対応したCybertruckは車両にはコンセントがついているので、モバイルコネクターを使う必要性は...https://t.co/7ku7dmTSE4 pic.twitter.com/MCKL58SLta
2025年4月に発売された第3世代のモバイルコネクターでは、後から発売される「Powershareコンセントアダプタ」を使うことで、給電にも対応することが発表された。
ところで、現在テスラとして唯一Powershareに対応しているCybertruckは、車両側にコンセントが装備されており、モバイルコネクターなしでも給電が可能だ。ここから推測される答えは、コンセントが装備されていない廉価版のCybertruckが発売されるか、もしくはコンセントを装備しない別の車種にPowershare機能が追加されるという可能性だ。
具体的な対応車種は不明ながら、3月に出荷が開始された新型モデルY、もしくは2025年の中頃に発売を予定する安価な小型車、さらに2025年の後半に改良が予定されているモデルS/Xでは、Powershareを搭載するのではないだろうか。
仮に安価な小型車に給電機能が付くならば、これまでで最も日本に適したテスラ車になると予想され、2025年の後半にかけて、ますます輸入車の勢いが増すことになりそうだ。