10年後にトヨタは無くなる?テスラに学ぶ「自動運転」と「電動化」の重要性

記事作成:2020/05/15 最終更新:2020/12/14

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皆さんおはようございます、八重さくらです!

今回は「自動運転」「電動化」の2つのキーワードを使い、今後10年で大手自動車メーカーが無くなると言われている理由を徹底解説します!

数年前から「CASE」という言葉が使われ始め、現在では全ての自動車メーカーがそれぞれの頭文字である「Connectivity(コネクテッド)」「Autonomy(自動運転)」「Sharing(シェアリング)」「Electric(電動化)」を意識した開発、販売が行われている。

例え大手自動車メーカーであってもこの4項目の対応を誤ると会社の存続に関わる可能性があると言われているが、この中でも特に「自動運転」と「電動化」が大きな役割を果たす理由を解説する。

1. 自動運転はすぐそこに

自動運転なんて遠い未来の話しであり、自分が生きている間には実現しない・・・そう思っている方は少なくないのではないだろうか?

結論から言えば、その考えは大きな間違いである。

まずはこちらの動画をご覧いただきたい。

 

運転手は高速道路の入口で「オートパイロット」と呼ばれる自動運転(運転支援)のスイッチをオンにし、出口でオフにするまでの間は何も操作せず、ハンドルを軽く持って周囲の交通状況を監視するだけだ。

決してこれは遠い未来の話ではなく既に発売されている車の機能であり、既にこの機能を搭載した数十万台の車が2020年2月現在で世界50ヶ国以上を走り回っていて、既に10億マイル(約16億km)を走行したという。

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2020年2月に行われたテスラAI責任者であるAndrej Karpathy氏の発表より

同機能を搭載した車ではこの他にも「スマートサモン」と呼ばれる「駐車場に停めた車が自動運転により所有者の元に迎えに来てくれる」機能があり、こちらも既に世界中で120万回使用されている。

更に2020年5月にはソフトウェアのアップデートにより「市街地での自動運転時に赤信号・一時停止・横断歩道で停止する」機能が北米で配信され、2020年内に交差点での右左折にも対応する予定だ。

もちろん実際に完全自動運転を実現するためには発生頻度の少ないトラブルを含む「あらゆる場面での安全性」を検証する必要があるが、テスラではそれを早期実現できる最先端の開発手法を採っていて、(テスラCEOのイーロン・マスク氏は1~2年とい言っているが)遅くとも数年程度で実用可能なレベルまで進化するだろう。

 

2. 最先端の開発手法

このようにテスラは市販車としては最先端の自動運転技術を持っているが、なぜ自動車メーカーとしては規模が小さい新興企業であるテスラが最先端の自動運転技術を持っているのだろうか?

従来の車は(リコールなどが無い限り)購入した時点が最新の状態であり車を買い換えない限りは新しい機能が追加されることは無いが、インターネット経由で毎月のようにソフトウェアをアップデートしているテスラでは車を買ったあとも進化を続ける。

その一助となっているのが常にインターネットにつながる「コネクテッド機能」で、これを活用して世界中で走っている車からデータを収集し、収集したデータをもとに新機能を開発したり機能を改善してソフトウェアのアップデートとして提供する。

ユーザーとテスラの関係
ユーザーとテスラの相互協力関係

このユーザーとテスラの相互協力により好循環が実現し、効率よく開発を進められるのである。

 

3. 自動運転がもたらすもの

それでは、近い将来自動運転が実現すると何がもたらされるだろうか?

ここで出てくるのが「シェアリング」であり、ほとんどの人は自動運転によって運転手が不要となる車は個人で所有せず、必要なときにサービスとして利用することになるだろう。

では、この「シェアリング」が自動車メーカーにどんな影響を与えるだろうか?

一般的な人の車の使用時間は平均で1日1.3時間と言われており、1日のわずか5.4%である。
もちろん朝夕に通勤に使用するなど偏りがあるため単純計算はできないが、自動運転になれば相乗り等により効率を上げることも容易になり、現在の1割程度の車両数で十分足りる可能性もある。

そうなれば車を作るだけの自動車メーカーは現在の1割程度まで売上が落ちることになり、販売以外のサービスを提供するなど「現在とは異なる収益」を確保できなければ存続が難しくなるだろう。

4. 電動化とコモディティ化

まず、ここで言う電動化とはハイブリッドではなく電気のみで走るBEV(バッテリー式電気自動車)を指す。BEVは製造に長い経験が必要な内燃機関(エンジン)が不要であり、バッテリー・モーター等の組み合わせのみで作ることができ、内燃機関より部品点数が大幅に少ない。

この様に汎用品の組み合わせのみで車が作れるようになって参入障壁が下がる事をコモディティ化と呼び、これまで内燃機関によって優位を保っていた既存自動車メーカーが優位性を失うことになる。

日産やテスラが最初にBEVを発売してから2020年で約10年が経ち、発売当初の課題だったバッテリーの価格や寿命は劇的に改善し、ついにガソリン車と同程度の価格と160万kmの長寿命を手に入れた。

※参考:米テスラ、中国産EVに革新的なバッテリー搭載へ=関係筋(ロイター通信)

日産・テスラ両者とも発売当初はバッテリーを内製(テスラはPanasonicと協力)で調達していたが、これは外部から適正な価格での調達が難しかったためだ。しかし日産は既に外部調達に切り替えており、上記の報道によるとテスラも今後は中国を皮切りに世界中で外部からの調達に切り替える方針である。

今まで唯一内製していたバッテリーを外部から調達することはBEVに必要な全ての部品を外部から調達できる事を意味し、その気になれば(もちろんそれなりの開発費と根気は必要だが)誰でもBEVを作ることができるようになる。

もし「そんな簡単なものではないのでは?」と聞かれたならば、車作り経験がゼロだったテスラがわずか10年で年産50万台まで成長できたこと、そしてテスラを追うようにBYD、Xpeng、Rivian、Lucid、Nioなどの様に次々と有力な新興企業が登場している事が何よりの証拠だろう。

 

5. コモディティ化とイノベーション

コモディティ化により新規参入が容易になれば、当然ながら従来では予想できなかったようなイノベーションが起きる。

テスラで例えるならばまずは乗り込んでブレーキを踏めば電源が入り、大きな画面に必要な情報が集約され音声コマンドであらゆる操作ができる「近未来的な操作性」が所有者を虜にする。

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操作性に優れた大きな画面(テスラ公式サイトより)

そして走り出せば(モデルSパフォーマンスであれば)わずか2.5秒で100km/hまでスムーズに加速し、オートパイロットを入れれば高速道路はもちろん、一般道でも幹線道路であれば殆どの運転操作を車に任せられる。

所有している間は毎月のようにソフトウェアのアップデートが提供され新しい機能が追加されたり、機能が改善されて自動運転もどんどん成長し上手くなる。

日本ではまだ存在感が薄いテスラだが、世界で急成長を続けている背景にはそんな先進性が多くの人に受け入れられている証拠だろう。

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増加を続ける納車台数(テスラ2020 Q1発表資料より)

もちろんテスラのみならず米中を中心にこの様なイノベーションを起こす新興企業が次々と生まれている状況であり、例え今は王者のトヨタでも消費者の心を掴めなければ安泰とは行かないのが今の時代の流れである。

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どんどん技術進歩が速くなる世の中、変化を止めずに新しいものを受け入れましょう!

tesla.jpg【TESLA紹介コード】
テスラは排気ガスを出さない電気自動車で、八重さくらの事務所である「コンシェルジュ・システムズ」の社用車として採用されています。
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