なぜテスラにはアラウンドビューモニターが付いていないの?【追記あり】

記事作成:2020/7/4 最終更新:2020/10/4

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皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回はテスラにアラウンドビューモニターが付いていない理由について解説します!

SNSなどで「テスラは360度にカメラが付いているので、ソフトウェアのアップデートでアラウンドビューモニターに対応してほしい」という趣旨の投稿をよく見かけるが、結論から言うとソフトウェアのアップデートだけで対応することは難しい

今回の記事ではソフトウェアのアップデートだけでは対応できない理由、そして「どうしても付けたい!」という方向けの情報をお届けする。

1.アラウンドビューモニターとは?

比較的新しい車で、よくセールスポイントとしてアピールされているアラウンドビューモニター。

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アラウンドビューモニター(日産リーフ公式サイトより)

まるで真上から見たような周囲360度の映像を確認でき、駐車時だけでなく狭い道での取り回しも良くなる。

例えば駐車場では隣の車や障害物までの距離、さらに車が駐車枠に対して真っ直ぐかどうかがわかり、狭い道で幅寄せする際も縁石までの距離が一目瞭然だ。

これを実現する仕組みとして、一般的には車の周囲に4台以上のカメラを取り付け、その映像を合成する。

車の周囲に4台以上のカメラを配置
車の前後左右に取り付けられた合計4台以上のカメラ

カメラの位置は上記の通り、合計4台のカメラを「前後バンパー中央部」「左右サイドミラー下」に下向きに取り付ける事が多く、これらの映像を合成することでまるで真上から見ているかのような映像を表示する。

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合成後のイメージ(日産リーフ公式サイトより)

2.テスラに付けられない理由

テスラは自動運転機能のために周囲360度にカメラが付いているため「これらのカメラの映像を合成すればアラウンドビューモニターを実現できるのでは?」と思うかもしれないが、実は物理的に難しい

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テスラの周囲を監視する8台のカメラ(テスラ公式サイトより)

確かにテスラのカメラは上記の通り周囲360度を見渡すことが可能であるが、ここで重要なポイントはカメラの取り付け角度だ。

アラウンドビューモニター用のカメラは車体ギリギリまで映すために下向きに取り付けられているが、自動運転で周囲を監視するためには遠くまで見渡す必要があり、地面に対して水平にカメラを取り付けてある。

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テスラの自動運転用カメラの視野角(Youtubeより)

実際にカメラの映像を見ると上記のように車体付近の地面は見えず、そのまま合成しても死角が大きすぎてアラウンドビューモニターとしては使用できないのである。

もし仮にソフトウェアの処理により補完するならばカメラから見えている時に地面の映像を記録しておき、車が進んだ際に擬似的に合成することで実現する方法はあるかもしれない。

ただしその方法ではリアルタイムの映像は表示できず、動く障害物は表示できないなどの課題もある。

3.どうしても付けたい方へ

当然ながら世界中のオーナーからアラウンドビューモニターがほしいという声はあり、実は以下のように社外品として販売されている製品が存在する。

上記の動画は香港のメーカーである「DTP International Limited」が販売している製品で、以下のようにAPコンピュータとMCU(ナビ画面)の間に専用の機器を割り込ませることで実現している。

アラウンドビューモニター 社外品構成図
システム構成図

こちらの製品が気になる場合はメーカーに直接メールで問い合わせるか、私の事務所までメールで問い合わせ頂ければ輸入代行することも可能だ。

また、国内のカーショップでは「HDMIインターフェースBOX」と「地デジチューナー」をセットで取り付けてくれる店舗が複数確認できているが、今のところアラウンドビューモニターの取り付け実績はネット上では見つかっておらず、取り付けの可否については各店舗まで問い合わせてほしい。

店舗1:カーセキュリティ専門店 コンセプト様(岐阜県)
店舗2:ボンドプラス様(埼玉県)
店舗3:FIVE WIRE様(大阪府)

4. 追記:イーロン・マスクが実装を発表

2020/10/3(土)に、テスラCEOのイーロン・マスクがTwitterで「Vector-Space」のアラウンドビューの実装を発表、FSD(=完全自動運転)オプションを購入した人のみに提供するという。

ツイート内では「Vector-Space」についての具体的な説明は無かったが、以前に本記事で「ソフトウェアの処理による補完」が唯一の実現方法と記載しており、以下のような方法を想定している。

  1. 走行時に常に一定範囲のカメラ映像を録画
  2. 車が進んだときに死角となったエリアを、録画データから再生

この方法で録画データから再生するとき、ベクトル(座標)を利用して画像を加工する必要があり、今回の「Vector-Space」という名称にもつながる。

ただし同じく本記事でも「リアルタイムの映像は表示できず、動く障害物は表示できない」という欠点を指摘しており、この物理的な欠点に対処するのか、それとも表示せずに妥協するのかに注目したい。

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ソフトウェアのアップデートで対応するのは難しそうですが、どうしても付けたい方は社外品を検討してみましょう。

tesla.jpg【TESLA紹介コード】
テスラは排気ガスを出さない電気自動車で、八重さくらの事務所である「コンシェルジュ・システムズ」の社用車として採用されています。
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